塗装工事を行う際に注意しなければいけないのが塗料です。しかし、一般の人にはよく分かりませんよね。そこで、この道ひとすじのヨシモトアートが、はじめての方でもわかりやすく、楽しく塗料の説明をいたしましょう♪
塗料の種類:『下塗り塗料』と『仕上げ塗料』
塗料には、大きく分けて2種類の塗料があります。『下塗用塗料』と『仕上げ塗り用塗料』です。
それぞれについて、説明をいたしましょう。
1.「下塗り塗料」は壁材に合わせて、分類されます。
下塗り用の塗料とは、読んで字のごとく「下塗り」のための塗料です。「3度塗り」という工程の中で1番最初に活用する塗料です。
ところが、一概に「下塗り」と言っても、いろいろな壁材がありますので、それぞれに合わせた「下塗り用塗料」があるのです。そして、その上、痛み具合に合わせても若干、使い分けたりします。
・サイディング壁
外壁に張る仕上げ用の板材のことを「サイディング」や「サイディングボード」といいます。 一般的な戸建て住宅の約75%は窯業系サイディングを外壁に使用しているとも言われています。
施工方法としては高圧洗浄にて、長年の汚れを落とし、サイディングの傷んだ箇所の補修・隙間のコーキング等を行います。その後、サイディングの状態と上塗りにどの種類の塗料を使うかで、下塗り塗料の種類を決めます。塗残し、塗布量をしっかり確認しながら塗り進めます。サイディング壁は色々な柄があることが特徴の一つです。
ヨシモトアートでは、色々な柄を生かしたデザイン塗装ができます。
・モルタル壁
モルタル壁とは「セメント・砂・水」を練り合わせた壁のことを言います。 火に強い性質がありますが、硬くて頑丈な分、力が加わるとひび割れが生じやすい特徴があります。
塗装の際は、高圧洗浄にてコケや汚れをしっかり落とし、クラック等のひび割れを適正な方法でしっかり補修をし、塗装後に補修痕が目立たないような仕上がりにも気を配ります。下塗りにおいては、ひび割れを起こしにくく、しっかりと膜厚が付くような下塗り塗料を選択します。
モルタル壁は和風な家に多く採用されており、お家の形や雰囲気によって、仕上げの塗料には断熱塗料や艶消しの塗料を選択される方が増えております。
・コンクリート打ち放し壁(ALC)
軽量で気泡が入っている特殊コンクリートの一種です。空気層があることで断熱効果が高く、火にも強くなり、また音の出入りを気泡が防ぐため遮音性にも優れるという特徴があります。 水が吸い込むと耐候性が落ちてしまうため、常にメンテナンスが必要です。
・木の壁
和風のお家に多く採用されていますが、近年洋風のお家にも部分的に使われることが増えてきました。木の外壁は、木のぬくもりが感じられるデザイン性が人気です。しかし雨やカビで劣化しやすいため、定期的にメンテナンスが必要です。
外壁に使う木材の寿命は、最低20年と言われておりますが、適切なメンテナンスを行えば50年以上持つケースもあります。木の塗装には、注意が必要で2.3年でベロベロと剥がれているお家をよく見かけます。これは、塗装する際の下地調整がしっかりされていなかったか、適切な塗料を塗られていないかが原因となります。
ヨシモトアートでは、木部もできる限り長持ちさせたい、今後メンテナンス費用をできるだけ抑えてあげたいという思いで、たくさんのメーカーの木部用塗料を使ってきた経験から、自信を持っておすすめできる、塗料を採用しております。
・トタン・ガルバニウムの壁
金属サイディングは年々シェアが拡大している壁材です。 腐食や耐久性に強いという特徴がありますが、金属の素材によって耐久性や強度などに差が出てしまうケースもあります。
一般的にサビ落とし(ケレン作業)等を行い、サビ止め塗料で下塗り塗装をします。
ヨシモトアートでは、サビ止め塗料の中でも、サビ止め効果の高いものを使用しますが、状態に応じてサビ転換塗料も併用して塗装します。
・コロニアル屋根
軽い屋根で有名なコロニアル屋根が痛んできた場合には、原則、浸透造膜プライマーを使用します。ただし、コロニアル屋根は、一般的な寿命が20年弱とも言われているため、お家のためには葺き替えをしたほうが良いケースもあります。(日差しがよくあたる地域・雪が屋根に積もる地域等では特に痛みが早いです)
「下塗り塗料」は、いろいろな塗料があるようにも感じますが、体系的に並べると上記のとおりです。どれも役割としては「仕上げ塗り塗料」と壁材を密着させるということなのですが、壁の『素材』に合った「下塗り塗料」を使うことがルールです。
※このルールを守らないと塗膜が密着しない、つまり「剥がれ」が起きるということになります。
2.「仕上げ塗料」は「耐候性」と「機能ごと」に分類されます。
「仕上げ塗料」は「耐候性」(どれくらいの長持ちを期待するか?)と「機能」(断熱・光沢・等)で分類されいますので、順番に見ていきましょう。
無機ハイブリッド塗料
一番長持ちすると言われている塗料は「無機ハイブリッド塗料」というものです。無機とは石のような無機物を指していますが、ゴムと石を比べてたら、石のほうが硬いのはおわかりいただけますよね。そのようなイメージから、現在では「無機ハイブリッド塗料」が一番長持ちすると言われています。各塗料メーカー耐候性として20年前後を提示しており、施工店の保証制度でも15年前後が提示されています。
この無機ハイブリット塗料で、施工する方々は全国の現時点では10%前後。
費用面が高い等があげられますが、ヨシモトアートでは、北陸で気象条件が悪いことやできるだけ塗替えの回数を減らしたい等で、無機ハイブリット塗料をご依頼頂くお客様が多いです。
各社塗料メーカーの無機ハイブリッド塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | No.1 |
エスケー化研 | セラミタイトペイント |
日本ペイント | ダイヤモンドコート |
関西ペイント | ムキフッソ |
アステック | 無機ハイブリッドコートJY |
菊水化学工業 | 無機ガードZ |
水谷ペイント | |
ロックペイント | パーフェクトセラミックトップF |
大日本塗料 |
フッソ系塗料
次はフッソ系塗料です。「フッソ系塗料」は、昔のアクリル系塗料の3〜4倍程度の耐候性があり、塗料の中で一番長持ちすると言われていました。要するには、フッソ系の化学結合(蛍石)のほうがアクリル結合や、シリコン樹脂のシロキサン結合よりも強いため壊れにくい、だから塗膜が長持ちするという方程式になります。
お選びいただくお客様は、市場全体(日本建築塗装職人の会調べ2020年4月現在)でも10〜15%前後となっております。
各社塗料メーカーのフッソ系塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | シャングリラ |
エスケー化研 | セラタイトF |
日本ペイント | デュフロン4Fルーフ |
関西ペイント | アレスセラフッソ |
アステック | マックスシールド1500F-JY |
菊水化学工業 | ビュートップフッソ |
水谷ペイント | パワーフロン#2200 |
ロックペイント | サンフロン |
大日本塗料 | ビューフッソ |
シリコン塗料
いわずと知れた人気塗料がシリコン塗料です。塗装業界でも全体の70%程度はいまだにシリコン塗料が現状です。
特にシリコン塗料の人気は、シリコン系樹脂という安定的な性質の樹脂が特徴であること、適度な耐候性やつや光沢感が高級感があるということ。予算もお手頃であることなどから根強い人気です。
また、最近のデザイン塗装の流れでも、次の塗替えを期待する反面コストを抑える意味でもシリコン系塗料をお選びになるお客様が増えています。
各社塗料メーカーのシリコン塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | ピュアピュアシリコン |
エスケー化研 | クリーンマイルドシリコン |
日本ペイント | ファインシリコンフレッシュ |
関西ペイント | セラMシリコン |
アステック | マックスシールド1500Si-JY |
菊水化学工業 | ビュートップシリコン |
水谷ペイント | パワーシリコンマイルドⅡ |
ロックペイント | ユメロック |
大日本塗料 | Vシリコンマイルド |
断熱塗料
そして、断熱塗料です。「断熱塗料」「遮熱塗料」等といろいろ言葉が出てきますが、ヨシモトアートでは、一般のお客様に対しては『断熱塗料』で統一しています。言葉尻よりも「わかりやすさ」が大事ですもんね。
「断熱塗料」で有名なのは、断熱塗料の草分け的な存在だった『ガイナ(GAINA)』ですが、発売されてから15年以上経過した今は、ガイナを超える塗料も次々に出てくるようになりました。そして、一昔前までは怪しい眉唾塗料だった「断熱塗料」が、今は一般塗料の仲間入りを果たしています。(2020年4月現在)
効果としては、屋根・壁に塗装することで、夏には5-7度前後温度が下がり、冬も魔法瓶のような効果でお家の中が暖まると言われていますが、まさにその通りになります。
費用面はフッソ系塗料クラス以上になるため、高級塗料クラスに属しますが、体感できる塗料ですので良い塗料で施工してもらった感は満載です。
また、断熱塗料の効果は色彩でも変わります。つまり、淡い色合いのほうが太陽の日差しを反射する断熱効果が発揮されますので、断熱塗料用のデザイン塗装も重要な点になりますね。
各社塗料メーカーの断熱塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | Magic(マジック) |
日進産業 | ガイナ |
エスケー化研 | クールタイト |
日本ペイント | ファインサーモアイウォール4F |
関西ペイント | ドリームコート |
アステック | スーパーシャネツサーモ |
菊水化学工業 | キクスイガイナ |
大日本塗料 | エコクール |
以上が塗料のご説明となります。ただし、ヨシモトアートでは、お客様は塗料については細かな点までご理解くださらなくて良いかと思っています。(時代によっても変わりますし、メーカーごとにそれぞれ訴求していることが違いますし、また施工店ごとに自分たちの主張が違いますので。。。)
ただ、言えることは、「塗料」は料理で言うと「食材・材料」のようなものです。いくら良い「食材」を扱ったとしても、腕が悪いコックさんでは美味しい料理はできませんよね。一方で、仮に「一般的な食材」でも、腕の良いコックさんが扱えば、一流の料理が出来上がりますよね。
腕が良いか悪いかは、天性の感覚もありますが、やはり、コックも塗装技術者も原点は経験が大事だと思います。
ですから、塗料については大枠をご理解していただくことができたら、あとは、創業以来15年以上の私たちヨシモトアートに安心してお任せくださいね。
また、壁はシリコン、屋根にはフッソとオススメする塗装業者も時々ありますが、ヨシモトアートでは、15年間の経験則上、 フッソなら屋根・壁フッソ。シリコンなら屋根・壁シリコンという 『屋根・壁セット』で施工することをおすすめしています。なぜならば、おおよそ同じ時期に、次の塗替え時期を迎えるほうがコスト面でもお得と思っているからです。